遺産分割後に相続人が現れた!

父が亡くなり、母、妹2人、私の4人で遺産を分割しました。ところが、そのあとになって、父の子であると主張する、見知らぬ男が現れました。彼は「二郎」と名乗り、父と内縁の妻との間の子であることを主張し、訴訟を起こした結果、父の子であることが認められてしまいました。
結局のところ、もう一度遺産を分けなおさなければならないということでしょうか。

この状況では、遺産全体の10分の1を二郎に与えなければなりません。
この期に及んで現れた「子」であるものの、れっきとした相続人としての立場が確定しているからです。
もし、遺産分割協議を始める前に二郎の認知が確定しているのであれば、二郎は遺産分割協議に加わり、2分の1の法定相続分をもらう権利を有します。

さて、法律上の婚姻関係にない男女の間に生まれた子は、婚外子とか非嫡出子と呼びます。
非嫡出子は、父親が任意で認知するか、または訴えにより強制的に認知させることができます。
また、父親が遺言で認知することもできますが、この場合は遺言執行者がいる必要があります。

遺言にその旨の記載がなく、父親の死後3年以内であれば、検察官を相手に裁判所に認知の請求をすることができます。
認知を認める判決が出てそれが確定すれば、その子は出生時に遡って父親の子であると認められることになり、嫡出子と同じく法定相続人として2分の1の法定相続分を有することになります。

■ 遺産分割後に認知された子の相続分は?

簡単に言うと、婚外子であろうとも認知された以上、れっきとした「子」であり相続人になるということになります。

ただし、このケースでは、遺産分割協議が終了している関係上、二郎の法定相続分は10分の1となります。
と言っても、遺産の分割のやり直しを求められることは必至で、面倒であるということばかりではすまない可能性もあります。

例えば、遺産を第三者に売却してしまっている場合、買戻しを行う必要が出てくる可能性があります。
ただでさえ突然のこと、相続人の動揺は相当なものになることは容易に想像できます。

■ 非嫡出子がある場合に被相続人がすべき配慮

父親の死後に相続人が現れただけでも、ほかの相続人にとっては青天の霹靂です。
ドラマのシナリオかと思わせられる、大きな衝撃を伴う出来事であることは疑いなく、トラブルは必至と考えなければならないでしょう。

非嫡出子は、生前に認知したとしても妻(戸籍上の妻)や子(嫡出子)からは友好的に迎えてもらえないのが普通です。
ですから、遺言で認知を謳ったとしても、これらの人間関係に変わりはありません。

そんな非嫡出子を、はじめから遺産分割協議に加えても、紛糾の原因になりこそすれ、プラスの効果があるとは思えません。

ですから、ここは遺言で、認知のことに加え、財産の分け方を指定してあげることが重要な意味を持ちます。
つまり、遺産分割協議を回避するほうが無難だということです。

なお、遺言作成の際には弁護士のアドバイスを受け、遺言で認知するときは必ず遺言執行者がいなければなりませんから、これにも信頼できる弁護士をあてれば万全と言えます。

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