相続税の事前対策

■ 相続税対策

相続税対策の主なものとして、次の3つが考えられます。

〇 納税資金の確保
〇 節税対策
〇 紛争・もめごと対策

3番目を指して「争族対策」と洒落る人がありますが、言い得ています。
以下に順を追ってその具体的な内容を見ていきます。

■ 流動性の高い金融資産を残す

都内の一等地に広大な土地と建物、誰もがうらやむような遺産ですが、預貯金などは数百万円程度。これらの遺産を相続した人があるとします。
この土地家屋には、高額の相続税が課せられる可能性があります。
相続税は現金で納めるのが原則で、物納という選択肢がないわけではありませんが、認められない場合もあります。

そうなるといきおい、土地家屋を売却して現金化するくらいしか手はなくなる可能性があります。
ところが、どんな土地建物でも、すぐ売れるとは限りませんし、高く売れるとも限りません。

こんなことになることは予測できることですから、お金が本当に無いなら、早いうちから土地建物は売却する準備をしたほうがよいかもしれません。
高齢の配偶者に居住用の土地建物を相続させるときに大きな減免措置がありますので、これを利用するのも手です。

お金が無い場合は生命保険金を当てにしても悪くありませんが、所得税、贈与税、相続税のルールが複雑にかかわってきますので、注意が必要です。

■ 節税対策はほどほどに

現金が多い場合は土地を買って相続時の評価を下げるとか、アパートを建てて「貸家建付地」としての優遇的な評価を受けるとか、土地を使った節税対策は一般的にも認知されています。

そのほかにも、生前贈与をして自社株の評価を下げるなどの方法が考えられます。

ただし、節税に固執しすぎると、つい法の垣根を越えてしまうこともありえます。
これが税務署に捕捉されれば、かえって高い税金を請求されることになります。

■ ”争族”対策が重要なわけ

相続人の中に悶着が起きれば、相続財産の分割が迅速に決定しなくなるおそれが出てきます。
そうなったとき、例えば配偶者の税額軽減制度を利用するための期限を超えてしまい、当該制度を利用する前提の節税プランが無意味になってしまいます。

■ 相続税対策を始める前に

そもそも資産の総額はいくらか、債務はいくらあるのか、どの財産にはどんな税金がかかるのかなど、課税相続財産の総額を洗い出すことから始めるべきです。

その上で、やはりここは専門家に相談して、最も有利な方策を見つけ出したいものです。

主な相続財産の評価方法
財産 評価方法   
預貯金 預入残高+既経過利子   
宅地 市街地:路線価方式
郊外地:倍率方式   
借地権 宅地の価額×借地権割合   
貸宅地 宅地の価額-借地権の価額   
貸家建付地 宅地の価額×(1-借地権割合×借家権割合)   
家屋 固定資産税評価額   
上場株式 ・証券取引所の課税時期の終値
・課税時期の属する月以前3ヶ月間の各月の終値の平均値
上記の値のうち低いほうを採用   
非上場株式  同族株主等 一般の会社  大会社  類似業種比準価額
中会社
小会社
純資産価額と類似業種比準価額との併用方式
特定の会社 原則として純資産価額
少数株主  配当還元価額 
ゴルフ会員権 通常取引価格×70%    
書画骨とう 売買実例価額、精通者意見価額などを参酌    
一般動産 調達価額  

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