自筆証書遺言作成の手順

■ 手製の遺言、簡単な方法

まず、自筆証書遺言としての要件を満たすには、第一に、日付や訂正時のや削除線に至るまで、すべてを遺言者が自筆することです。

パソコン、ワープロなどを使って印字してはいけません。
また、口頭で言った内容をほかの人に書いてもらうのもいけません。
遺言者が自分の手でペンを使って直接紙に書きます。

高齢になると上手にペンを運べなくなることもありますが、ほかの人が手を添えて書くというのもいけません。
例外的に認められることもありますが、争いの元ともなり、結果認められないことがほとんどです。
自力だけで書くことが困難な人には、自筆証書遺言はお勧めできませんから、公正証書遺言に切り替えるのが安全です。

そのほかにも、自筆証書遺言が無効にならないために、いくつもの注意点がありますので以下に列挙します。

■ 自筆証書遺言作成の手順

1. 遺言内容を決める
 ・法定相続人の把握
 ・相続財産の把握
 ・誰に何を相続させるか
 ・誰に何を遺贈するか
 ・ほかに書きたいことはあるか

2. 遺言書を下書きしてみる
 ・ペンは書きやすく、読みやすく、消えにくいか
 ・紙は適切か、破れにくくないか、何枚くらい必要か
 ・遺言書を入れる封筒も用意
 ・できるだけ実印を用意する

3. いよいよ記載・捺印
 ・すべての文字を自筆で書き、必要な箇所に押印する

4. 保管
 ・のりを使ってしっかりと封印する
 ・保管場所の検討
 ・保管を依頼する人の検討

◇チェック項目◇

〇 法定相続人、相続財産に漏れはないか
〇 誤記はないか

〇 全文を自筆したか
〇 日付を自筆したか
〇 署名したか
〇 押印したか
〇 削除部分に二重線を引いたか
〇 削除部分に押印したか
〇 正しい文言は追記したか
〇 付記
〇 付記部分に署名したか

〇 複数枚の場合、ホチキスで袋とじにしたか
〇 複数枚の場合、頁番号は付したか
〇 複数枚の場合、すべてのページに署名または契印(割り印)したか
〇 のりでしっかりと封印したか
〇 保管場所と保管方法は適切か



■訂正の方法

ある文字ないし文字列を削除したい場合は、二重線で消します。
さらに加筆したい場合は、二重線の上部に、ほかの筆致に重ならないように新たな文言を書き加えます。

さらに、その頁の上部に押印し、印影の右脇に「10字削除 15字加筆」というように文字数を書き入れます。
削除する文字がなく、単に加筆するだけのときも上記に準じます。

なお、使用する印鑑はいわゆる三文判でも問題ありませんが、使用する印は共通にしたほうが無難です。

■ 保管についての注意点

自筆証書遺言の保管は、ほかの人から簡単に見つかるような所は駄目ですが、相続人にとって発見がひじょうに困難というのも困ります。
保管とは、そもそももう一度取り出すことが前提で行うもので、発見されないだけでよいなら滅却してしまえばよいことになってしまい、遺言を書くこと自体が無意味になってしまいます。

そこで、自分が死んだときに確実に家族に提示してくれ、それまでは確実に人に見せずに保管してくれるような、信頼できる人を見つけるのもひとつです。
家族も開けられない金庫や貸金庫に入れるのも良いでしょう。

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