幼い子が心配な場合

■ 「未成年者後見人」とは

遺産を子に相続させることは法律が保障していますが、そもそもその子が幼く、財産を管理する能力も無い場合、片親が生きていればその人が当然に親権者となりますので特に心配はないでしょうが、親権者に相当する人が無い場合は、「未成年者後見人」を頼むことになります。
これは、親権者の権利義務を代行する人のことです。

この未成年者後見人を、遺言者がその目で選び、生前に依頼しておくのが最も望ましいと言えます。
ただ、未成年者後見人は、実際に親に代わってその子を育てるわけですから、容易に見つかるとは限りませんが、重要なことであるには違いありません。

未成年者後見人は遺言の中で指定しますが、これを指定しない場合、残った親族が家庭裁判所に申立をして選任してもらうことができます。
ただし、選任された人が引き受けるとは限らず、子が親戚中でたらいまわしにされたりと、その子にとってはかなりの不遇が予想されるところです。

■ 未成年者後見人を監督する人を指定できる

未成年者後見人は、いずれにせよ相当に信頼のおける人でなければなりませんが、それでも一人の人間の親になるわけですから、容易なことではないと言えます。

何かの事情により、未成年者後見人が親権の代行すなわち子の教育、保護などを放棄したり、子の財産を自分で使ってしまったりしないとも限りません。

そこで、未成年者後見人をさらに監督する「後見監督人」を遺言で指定することができます。

■ 未成年者後見人を指定する以外の同等の手段

「負担付遺贈」をするという手もあります。
無論のこと、この際の「負担」は親権の代行、すなわちペットの世話や老人の介護と同様、幼い子を、親の代わりとして愛情を持って育てること、ということになります。

負担付遺贈では、例えば、子の財産を管理しつつ同居してやってくれとか、必ず三度の食事を作ってやってくれとか、子の財産を預けるから子に仕送りをしてくれとか、自由に定めることができます。

このとき、その負担に見合った財産を遺贈することと、いくら自由と言っても無理なことを頼まないようにすることが大切です。
遺贈の放棄と共に負担をも当然に反故にされてしまうおそれが生じるからです。

また、負担付遺贈は受遺者が拒否できるので、突然遺言で言われると面食らって忌避ということも考えられますから、生前にそのことの承諾を得ておくことも重要です。
譲る財産の価額や、どういうことはできてどういうことはできないという受遺者側の意見も聞いた上で、その内容を遺言すれば、後になって拒絶される可能性はかなり低くなります。

さらに、遺言執行者に遺贈者の監督をしてもらい、遺贈者が義務を履行しない場合は催告を行い、それにも従わない場合は家庭裁判所に遺言の取消を請求することになります。
そうなった場合、負担付遺贈分はその子に帰属しますが、改めて親に代わる人を見つけるのは容易でないことが多いでしょう。

負担付贈与は放棄される可能性があるわけですが、未成年者後見人はそもそも事前にこれという人を見つけられるかどうかもあるので、このあたりの判断にも、専門家である弁護士の手助けが必要になるかもしれません。

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