連れ子・継子がいる場合

■血のつながらない「連れ子」は相続人にはなれない

死別、離婚などにより実子がいる状態で新たにパートナーを見つけ結婚入籍に至るケースはまれではありません。
しかし当然に、自分の実子とは相続関係にありますが、パートナーの連れ子とは相続関係は生まれません。

パートナーを大切に思う以上、その連れ子を我が子のように思うことは、これまた当然のことでしょう。
内縁関係にある配偶者と同じく、パートナーの連れ子もまた、通常は内縁関係とは呼びませんが、そのような他人を超えた関係になることもまた珍しくありません。

法律上の夫婦は、婚姻届により成立し、互いに相続関係を持つようになります。
ところが連れ子の場合は、「養子縁組」という手続によって、戸籍上の子とすることが認められています。
このような子を「養子」と呼び、当然に男子でも女子でも養子にすることができます。

例えば、妻が連れてきた子は妻にとっては実子ですが、養子縁組により、夫にとっては養子になります。 夫の連れ子も同様で、妻にとっては養子となります。
要するに、養子縁組とは、血のつながらない子に対して、新たに法律上の親子関係を結ぶ手続ということになります。

これらの関係は、文字にすると複雑ですが実生活上などではわかりやすい関係です。
この明確な区別が、相続に至って厄介な問題を引き起こすことがあります。
連れ子に関する注意点は、ここに尽きます。

パートナーを愛するゆえに、パートナーの連れ子もわが子のごとく扱いたいと思う気持ちから、養子縁組を考えるということは麗しいことでしょう。
しかしながら、養子にしてもらったほうが、養父または養母を実の親のように思うかどうかは別です。
これは人間の感情の領域に属することだからです。

また、実子と養子との関係も、しっくりいくとは限りません。
さらには、自分はパートナーの連れ子を養子にしたくないと思っていたが、パートナーが自分の連れ子を養子にしてくれたので、それとのバランスを義理の上でとるためにパートナーの連れ子を養子にしたような場合、義理立てしたほうのパートナーが残され相続人となった場合、亡くなったパートナーの実子と養子の力関係が逆転するということもありえます。
平たく言えば、生き残った妻が自分の実子をひいきするようなことを始めるといったケースです。

つまるところ、養子縁組して戸籍上法律上も実の子と変わらなくなったと安心するのではなく、不公平が生じないよう、きちんと遺言してあげることが重要です。

なお、養子縁組によってその養子は相続人になりますが、養子縁組しなくとも、遺言でその子に「遺贈」を明記すれば、いずれにせよ遺言は必須と考える以上は、結果は同じになります。

遺言書には、養子は「養子」とは書かず、「長男」、「次女」というように書きます。
遺言執行者には、信頼の置ける弁護士を指定しておけば、なかなか平等に扱われにくい実子と養子のこともうまくやってくれるでしょう。

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