ペットの世話をしてほしい

■ やはり負担付遺贈

ペットを人間同様、ときには人間以上の大切なパートナーとして愛情を注ぐ人は多くいます。
しかし、ペットが法律上人間同様どころか物として扱われる関係上、世話をする人が死んだときは、最悪の場合殺処分の対象になります。

ペットは人間と違って、成長すればひとりで生活し、ときには飼い主の面倒も見てくれるということはありません。
したがって、ペットが生きている以上乳飲み子を残すようなもので、「自分にもしものことがあったら」という心配の種にもなってきます。
もちろんのこと、法律上は物ですから財産を譲ることもできません。

そこで、当該ペットが自然に死ぬまでの間にかかる餌代などの費用などを勘案し、相応の財産をある人に遺贈し、その代わりにペットの面倒を見てくれという「負担付遺贈」にしていくのが最も妥当ということになります。

1.相手の承諾を得ておく
よもやペット嫌いの人や明らかに世話をする能力のない人を選定することはありえないでしょうが、それでも「負担」と言うくらいですから拒否されないとも限りません。
遺贈を拒否すれば当然に負担を負うことはありません。

また、遺贈する財産は多いほど、負担は軽いほど相手は快諾しやすくなります。
もともとペットが好きで、ペットの世話をすることを悦びと感じる人のほうが、負担、苦痛と感じる人よりも承諾を得やすいことになります。

また、遺言者は100万円もあればと思っていたところが、改めて計算してみると300万円以上は必要という判断に至るかもしれません。
大事なことだけに、遺言者の一人合点は禁物です。

2.負担が遺贈する財産に比して重すぎては駄目
見てきたように、ペットを飼う以上餌は欠かせませんし、病気になれば医療費もかかってきます。
外出などに制限が出る場合もあります。
いかに負担付遺贈といえども、もらった財産ではまかなえないほどの出費をする義務は、受遺者にはないと法律にも謳っています。

引き継いだペットかわいさに、あるいはペットを見捨てることへの罪悪感から、受遺者がその義務の範囲を超えて出費をすることを自由意志でもって選んでくれたとしても、それはあくまでも約束事の範囲を超えた親切行為であり、そうしなかったからと言って非難もできませんし、まして返却を迫るべき財産もありません。

3.遺言執行者を定める
負担付遺贈を受けた人がその義務を果たすかどうか監視し、義務を果たさないようならば注意、勧告を与え、それでもしなければ遺贈した財産の返却を請求するなど、十分な働きをしてくれる遺言執行者を必ず決めておくべきです。

遺言書の文例

                    遺言書

遺言者山田太郎は、次のとおり遺言する。
一、遺言者は川村明子(住所、生年月日)に遺言者の四山銀行青坂支店の普通預金から金500万円を、下記の負担付で遺贈する。
                  記
受遺者川村明子は、遺言者の愛猫ニャン吉(ソマリ、オス4歳)を飼育し愛情を持って世話すること。
ニャン吉死したるときは火葬に付し、〇〇寺(住所)ペット供養塔に納骨すること。
以上

平成25年5月25日
東京都港区青坂8丁目7番6号         遺言者 山田太郎 印

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