よくあるトラブル3
遺言書の行方不明

■ 遺言書が見つからない!

まず保管責任者には非難轟々か。
廃除されかねなかった相続人はニンマリか。
いずれにせよ、これでは故人の努力も遺志も報われません。
大変なことであることは確かです。
実は、さきに出てきた”廃除候補者”が、こっそり持ち出して隠してしまっていたのです。
推理小説まがいですが、実は割合によくあることなのです。

実は、さきの”犯人”は、候補者どころか廃除の意思が遺言書に明示されていることを、読んで知ってしまっていたのです。
このように、自分に不利な遺言があるからという理由で、遺言書を隠匿、破棄してしまう人は間々あります。
その行為がばれれば、相続権の剥奪などのペナルティを課せられますが、ばれなければ何もされません。

それとは別に、もともと遺言書をこっそりしまってから亡くなる人も多いものです。
遺族は、「そんなもの無いでしょう」と思うか、「いやどこかにあるはずだ」と思うかはわかりませんが、どちらにしても、結果見つからないのでは無いのと同じです。
遺言を書いた人はそれでもいいと思ったのかもしれませんが、普通に考えれば、読んでほしいと思うから書くわけですから、少なくとも賢明なやり方ではありません。

上記のエピソードのように相続人の一人が盗み出さなくとも、泥棒が入るとか、火事が起きるとか、とにかく遺言書を自宅に保管することには、あまりに多くのリスクが伴います。

遺言書は、故人の「全財産」と言っても過言ではなく、また遺族の将来にも影響を与えるものであることからすれば、せめて厳重な金庫にしまうのが妥当と考えるのがむしろ普通の考えでしょう。
が、遺言書を手にするなど、亡くなる人も遺族も、一生に一度あるかなしかのことであり、その意味合いと正しい取り扱い方法を知らないということなのです。

遺言書は、そもそも書く段階で弁護士のアドバイスを受けるべきですし、保管も弁護士に預けるべきです。
そうすれば、法的に無効なことを書いてしまう、なくなる、盗られる、などのトラブルはまず起こりません。

■ 遺産を分けてから遺言書が出てきた!

実は、遺言書の存在を知りながら、その遺言書の内容とは異なった遺産分割を、相続人が話し合って決めることは、法的に認められています。

ところが、遺言書の存在を知らず、遺産分割をしてしまった後で遺言書が見つかった場合、「遺言書があると知っていればこんな分割はしなかった!」と考えるのが普通でしょう。

ここには被相続人の意思と相続人の意思との間に一致が認められますので、遺産の分割をやり直すことになるのが普通です。
つまり、一度行われた遺産分割は無効になる可能性が大きくなります。

しかし、一度分割してしまった財産については、大きなトラブルが起きる可能性もまた大きいものです。
例えば売却して換金してしまった不動産は、実は遺言では一人の相続人に譲り、不動産をもらえなかった者には預金を、といったようなことが書かれていたとしたら・・・。
まさしくとりかえしがつかないことになってしまいます。

遺言と言ったら専門家。
まさに安心な遺言のための合言葉と言えそうです。

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