よくあるトラブル2
その遺言は無効だ!?

■ こんな遺言書は無効です!

遺言書が必要なことはわかったと、あなたは早速遺言書の作成にかかります。
ところが、法に定められた形式にのっとって作成しないと、せっかく遺言書を作っても無効になります。
無効になるとわかっていてそのように作る人はいないでしょうから、「これで遺言書が完成したから、もう安心だ」と思ってあなたは逝きます。
果たして、あなたが遺言書を作らなかったときと同じトラブルが、あなたの死後に起こるというわけです。
こんなことになったら大変です。

例えば、自筆証書遺言の場合、字がきれいに書けないと嫌気が差し、ワープロで打って作ったりすれば、自筆(手書き)ではないので無効です。
もちろん、悪筆を恥じて自分以外の人に書いてもらうなどは論外です。
自筆証書遺言は、遺言をする本人が自分の手で書かなければなりません。
また、捺印がないとか、日付がないとかの不備がある場合も無効となります。
縁起を担いだつもりなのか、「平成25年5月吉日」などと書いてしまった遺言書も無効です。
「吉日」では日にちが特定できないからです。

では、間違いなく本人の意思と確認ができる録音や録画などはどうでしょう。
文字よりも感情やニュアンスも伝わりやすいだろう、それは事実ですが、遺言としては法的に無効です。
そういう形の遺言は、現行法規では認められていないからです。

自筆証書遺言は意外なルールが多く、ミスが起きやすいのですが、どんな遺言書を作るにせよ、法律の専門家のアドバイスを受けながら作ることと、できれば公正証書にすることが望ましいのです。

■ その遺言、本物ですか??

自筆証書遺言を見せられた遺族(相続人)、中身を読んでびっくり!「なぜ私がこんな不利なんだ(なぜあいつにそんなにやるんだ)」などと思った人は、「実は誰かが筆跡を似せて書いたものじゃ?」と思いたくなるのも人情でしょう。

また遺言書が死の間際ないしそれに近い時期に作られた場合、確かに本人が書いたものと認めるにしても、判断能力、言語を操る能力、筆記能力などが衰えた段階にあると推察できます。
自分に不利な遺言を突きつけられた人は、どうしても突っ込みを入れたくなるというものでしょう。

このように、自分(被相続人)はしっかりと遺言書をしたためたつもりでも、”自己流”のそれですと、さまざまなリスクが考えられるわけです。
最悪の場合、相続人がもめないようにと作った遺言書のために紛争がより複雑になるということも十分に考えられます。

ここでも結論できることは、遺言は専門知識のある弁護士に頼んで作成を手伝ってもらい、公正証書にし、遺言執行者も信頼できる弁護士を遺言の中で指定しておけば、ほとんどのトラブルを回避できるということです。
この場合、弁護士という中立の立場の証人がいることにもなり、「正常な思考力がない状態で書いたのではないか」などの疑いも払拭できようというものです。

また、物事がうまく考えられないような健康状態に陥る前に、事の”直前”ではなく、むしろ少し早すぎるのではと思うくらいのときから、弁護士に相談しておく心構えが大切です。

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