よくあるトラブル1
遺産分割協議がまとまらない

■ 多額の遺産が争いを呼ぶ!

多くの財産を築いて亡くなる人があります。
この人は、「何もしないで多額の遺産が入るのだから、もらうほうは一様に感謝し満足することだろう。もともとただもらえる財産を、もっとくれなければ不満だなんて、言いだす家族は一人もいまい。相続争いなどとは無縁だ」と思いました。
だから遺言書なんていう水臭いものは不要だと考えたのです。

果たして、相続人たちは遺産の分配をめぐって骨肉の争いを始めました。
故人の思惑は、完全に外れたのです。
そしてこれと似たようなケースは、世の中にひじょうに多く見られるのです。

人間の欲には限りが無く、お金と聞くと豹変する人もいます。
ほかのきょうだいに比べて自分はかわいがってもらえなかったなどと日頃から思っているとか、私はあいつらよりも親に尽くしたなど、そういう感情や人間関係もこういうときに浮かび上がってきたりもします。
要するに、建前と本音、法律と感情といった相反する要素がドロドロに絡み合って、本人たちではどうしようもない問題に膨れ上がることはむしろ当然のことかもしれません。

また、財産の額だけでなく、「誰が何を取る」といったことでもめるケースも多々あります。

遺産が少なくてももめごとは起きる!

遺産と言っても、ローンでやっと買ったちっぽけな自宅だけ。
争いなど起きるわけがない、という考えもまた誤りです。

実際に、自宅には妻が住んでいて、子供は2人いるが独立している、としたらどうでしょう。
自宅を売ってその代金を分配すると言っても、そうしたら妻は住む場所を失うか、そのお金をそっくり使ってまた家を買わなければならなくなります。

これでは公平な相続とは言いがたく、と言って法律は法律、子供らには遺産を受け取る権利があると悶着が起こるとしたら・・・。

子らは、「母を苦しめてまで遺産を取るのはいかがなものか」と考え直したにせよ、今度はその配偶者が横槍を入れ、「甘いこととを言うな!こちらの家計も考えろ」などあおったために板ばさみとなり、結局母に無理強いする形で家を売却、なんていう結末になったら・・・。
遺産は相続人を幸せにするためのもののはずが、遺族の心に大きなしこりを残すようなことにもなりかねないわけです。

■ 遺言で遺産・相続トラブルを未然に回避

遺言がなく、遺産の分配で争いが生じた場合でもそうでない場合でも、法定相続人間で「遺産分割協議」を開かなければなりません。
そして、遺産分割協議で折り合いがつかない場合、家庭裁判所に調停を申し立てることになります。

調停でも決着がつかない場合は、家庭裁判所の審判を受けることになります。
ところが、家庭裁判所から出る裁決は、分配の割合については、ほとんど「法定相続人」としての規定どおりのものとなります。
つまり、相続人らの気持ちを汲んだ上で、さじ加減を利かせてくれるなどということはありえないのです。

結論を言えば、やはり遺言書が必要ということです。
遺言さえあれば、まずもめごと自体が不可能になります。
相続人全員が完全に納得ということはないかもしれませんが、そこに優秀な遺言執行者がいれば、被相続人の考えも上手に伝え、より円満な解決に導いてくれることでしょう。

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