遺言に関する法律用語(1)

公正証書遺言
安全・確実な方法

法務大臣が任命する「公証人」が、遺言書を作りたい人から聴取を行い、作成します。
公正証書遺言は公文書として扱われ、信頼性が高い上に、控えが公証役場に保管されるので、遺言書の偽造、隠蔽に備えることができます、

自筆証書遺言
信頼性高いがリスクもある

「証書」という言葉は付きますが、公証人は関係しません。
遺言をしたい人が自分の手で書き、押印し、保管します。
ワープロなどで打ったものは駄目で、自筆が条件です。
公正証書作成費用がかからず、書きたいと思ったときにすぐに書けるので面倒が要りませんが、自筆という面倒さといううらみがあるほかにも、公証人が型式のチェックを行なわないため、不備があると遺言全体が無効になるおそれがあります。

遺留分
「長男に全ての財産を与える」は実現できない

相続人に配偶者、子、または直系尊属(父母、祖父母など)がいる場合、これらの人たちは「遺留分」を保証されます。

例えば、「長男一人に全ての財産を譲る」という遺言を作った場合でも、その長男を除く上記の人たちへの相続はゼロにはならず、相続人が直系尊属のみの場合は遺産の3分の1、そのほかの場合は2分の1となります。

上記「遺留分権利者」は、「遺留分減殺請求権」によって遺留分の払い戻しを請求することができます。

特別受益
生前贈与・遺贈分を差し引いて相続

被相続人の生前に遺贈を受けたり、婚姻や養子縁組のために贈与を受けたり、生計のための資本として贈与を受けたりした場合、これらを「特別受益)と呼びます。

特別受益は、遡ってすでに相続した分とみなされ、受益者は受益分の相続財産が減ります。
このことを「特別受益の持戻し」と言います。

ただし、遺言に「特別受益は返さなくてよい」と記載してあれば、この限りではなくなります。
これを「持戻し免除の意思表示」と呼びます。

寄与分
「貢献」の程度はどこまで認められるか

寄与分とは、被相続人の生前において、その財産の維持、増加に貢献した相続人の取り分を増やす、その足し増し分のことを言います。

遺言が無い場合、調停ではよくこの寄与分が問題になります。

遺言に寄与分を設定するためには、寄与の内容や与える財産について具体的に記述します。

遺言執行者
弁護士を指定するのが無難

遺言の内容を実現するために必要な手続などを行う人のことを「遺言執行者」と言います。
遺言執行者は、ひじょうに重要な役割を担います。
遺産の中の不動産は、移転登記をしなければなりませんし、婚外子の認知などの手続も必要になる場合があります。
遺言執行者は、遺言の中で明確に指定する必要があります。

ただし、相続人の中から1人の遺言執行者を選定すると、無用のもめごとが熾きることが間々ありますので、遺言執行者は弁護士を指定するのがベストです。
弁護士は利害関係になく、また法律にも精通していますので、最良の方法で手続等を進めてくれることが期待できます。

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