遺言により可能になること

遺言は、実は財産が無い人も書く必要がある場合があります。
「私には財産が無いから、遺言書なんて作りようがない」と考える人もあります。
一見正しいようにも思えますが、遺言には、財産分与のことだけでなく、例えば自分の葬儀・埋葬のことや、ペットの世話をお願いするなどの内容も盛り込むことができます。

また、財産分与のことについても、「道楽息子に財産を与えない」とか、「介護をしてくれたあの人に」とか、「長男には自宅を、長女には預金を」、「財産を与える代わりに障害児の世話をしてくれ」などなど、いろいろの指定をかけることも可能です。

◎法定相続分と異なる分配割合
● 家業を継ぐ長男への分配を多くする。

◎各財産ごとの分配の指定
● 長男には自宅を、長女には預金を、次男には有価証券を与える。

◎遺言による廃除
● 道楽息子に財産を与えない。

◎負担付遺贈
● 兄弟に多く財産を与える代わりに、先天的精神障害のある子供の世話をせよ。

◎法定相続人以外への財産の分与
● お世話になった近所の人に遺産を与える。
● 慈善団体に寄付をする。

◎財産の分配以外の希望の実現
● ペットの世話をしてほしい。
● 葬儀には家族以外を呼ばないように。
● 埋葬をせず、散骨してほしい。

◎遺言による認知
● いわゆる内縁の妻との間に出来た子を認知する。

遺言により、上記のようなことを指定することが可能になります。

≪遺言はいつ書けば良いか≫

「遺言書は、死ぬ間際に書けばよい」と考える人が少なくありません。
確かに、死ぬ間際まで財産は増えたり減ったりする可能性があるのですから、一理ある考えと言うことはできますが、現実的にはリスクもあります。

「死ぬ間際」とはいったいいつなのか、よくわからないということがあります。
本当に間際となった時点で、果たしてしっかりとした意識が残っているかどうかわかりませんし、認知症などにかかり正常な判断ができない状態になることも考えられます。

なんとか自分なりに遺言書をしたためたとしても、死んだ後になって、「認知症と診断された後に書いたものだから無効だ」などの主張が飛び出さないとも限りません。

遺言書は、15歳以上ならば誰でも書くことができます。
また、何回でもその内容を変更することができます。
財産に増減が生じたときは、書き直せばよいのです。
また、相続人との関係などに変化が生じ、遺産の分配比率を変えようと考えたり、新たに遺族に頼みたいことが生じたりしたときも、加筆、削除、訂正ができます。

思い立ったが吉日という言葉もありますので、遺言書は書こうと思ったときに書いてしまうのが、突然来るかもしれない”その時”のことを考えれば、最上の選択と言えます。

「生前に自分の墓を立てると長生きできる」と言われます。
「生前に遺言書を書くと長生きできる」とは聞いたことはありませんが、遺言書を書いて不安を払拭することで、ますます元気に長生きできるということは、あながち根拠が無いとは言えないのではないでしょうか。。

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